わたしもメッッッチャ好き。
原作10巻分とOVA1クールまでしか知らないにわかなんですけど、ノイエ2話まで見てヤン・ウェンリーの話をしたくなったので書きます。
※ノイエからという人にはネタバレかもしれないのでその点は注意してほしい。
※ヤンの話がしたくなっただけで推しはラインハルトさまとロイエンタールです。
ヤンの魅力って本人の才覚と自己評価と他者評価がアンマッチなところに悩み続けるところじゃないですか。
端的に言えば理想の上司。実績もあるしで、同盟の人々がヤンを"英雄"と持ち上げるのもわかるんですよ。でもヤン自身はそれを良しとせず、あくまでも"国民のひとり"であろうとしたので、後半に進むにつれてそのギャップに翻弄されていく。
ヤンがラインハルトさまのことを「理想の専制君主」と評価しながらも専制君主制そのものを危惧していたところが本当に好きで。ラインハルトさまには自分の自由のために帝位を簒奪する野望があり、己の過去もあって国民の期待を背負って立つ覚悟もあったけど、「国家運営の責任をたったひとりに押し付けること」そのものを否定したヤンが、ある意味ラインハルトさまの最大の理解者であり最大の敵対者というのが本当にすばらしい。ヤンは最初から最後までずっと"国民のひとり"であろうとしていて、そんなヤンが"皇帝"を否定する構図、あまりにも美しすぎる。
ヤンは上司や政治家の悪口も言うし、選挙棄権したこともあるし、酒に逃げるし、生活力ないし、だめなところも結構描かれているけど、いろいろ言いながらも自分の責任をきっちり果たすところ本当にかっこいいよなあ。そのヤンが査問会で「辞めてやる!」って言いながら結局辞められなかったところとかいま思えば「クソブラック国家やんけ……」という感じなのだが、サラリーマンかくあるべし、とも思う。いややはり同盟はクソブラック。あとやはりだめなところがあるとわかられているからか他人が面倒を見たくなるのは人徳なのだろうか。
ヤンって自分が"常勝の天才"と張る存在だという自覚みたいなものはあったのだろうか。あったとしてもそれをひけらかすことなく、一個人であろうとしたその姿勢こそがヤン・ウェンリーの美徳なんだと思うけど、それを美徳と思いながらも許せなかった?シェーンコップのような人もいるというのが、アンマッチさに繋がっているのだろうなあ。
全然出世するつもりなかったのに炎上プロジェクト立て直して利益を上げてしまったばかりに管理職になってしまったヤン・ウェンリーという感じものすごくある。たぶんヤンにもう少しだけ出世欲があったら銀河の歴史変わってたと思うけど、そうじゃなかったし、そうじゃないからこそヤン・ウェンリーのこと好きだなあと思うわけ。