情緒よりも主観。

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セルフ振り返り『蒼穹のファフナー』第1話〜第6話

昨年末の総士生誕祭、先日のHAE4DX、ごく最近のフォロワーのファフナー視聴に乗るっきゃねえ! とばかりに1期を見直すことにしました。

EXO終わってからこの間4DX見るまでどのファフナーも見ていなかったので、話の大筋は全て把握しているが細かいポイントはうろ覚え、という状況からの再視聴。まあおもしろいことは知ってるしな……作業の片手間に……と思ったのが大間違い。このアニメおもしろすぎる……!

つい最近書いた通り、わたしはファフナーの語り直しによる再解釈におもしろみを感じています。

元々おもしろかった1期ですが、EXO後に改めて見るとこんなにも輝くとは……!

折角なので数話単位で振り返りやろうと思います。HAE〜EXOの彼らを知るからこそ改めて気づくことができた部分について言及するつもりです。1期・ROL・HAE・EXOの核心にガツガツ触れたり、小説版・ドラマCDなどいわゆる本編外の話をしたりするので、シリーズ全部見るつもりかつネタバレNGの方は全部見ていただいて、それから改めて読んでいただけましたら幸いです。

※ちなみに話数区切らずにだらだら書くからきっと読みづらいけど許してほしい。

 

わたしは総士が最初から一騎のことを信頼していたことに気づかなかったんですけど、今回見直してやっと気付いたんですよ!(節穴) 「お前本当に12年ファフナー好きだったのか?」って言われたら「見えてたものが違うので……」と答えるしかない。

双方左目事件の解釈に齟齬があるので深刻なア…ジャッシュが始まってしまったわけですね。総士は一騎に左目を傷つけられたことが自我の確立の契機になったので感謝の気持ちがあるけれど、一騎はその件には罪悪感しかないし総士の真意は知らないから後のダイナミック家出につながるわけで。

そういうのも込みで見る皆城総士はとにかくかわいいやつですね。「いや、できる!」に「僕はお前を信じているぞ」を詰め込んでしまったり、「僕を、信じろ」に同意してもらえたからって自分の気持ちがちゃんと理解してもらえたと思ったり、なんなら元々信頼されていると思っていたまであるのか。

第5話で総士がひとり山に来たのが、彼なりの歩み寄りだったことに気づいたのもさっきだよ! 真矢曰く「そんなに一騎くんの心に入り込みたいの?」というセリフが、真矢の尋常ならざる洞察力がもたらしたことだし、事実というのはわかっていても、ピンとは来ていなかったんだ。一騎が自分と同じように自分のことを信じてはいないことがわかってきたから、理解するために一騎の行為をトレースするというのは、総士の不器用さが表れていていい。

第6話の「黙っていてください」「大人に命令するな!」もいまならわかる。保=大人は子供を守りたい、でも人より早く子供ではいられなくなった総士という存在は、島を守る使命を背負う人間は全員対等と見なしている。総士の責任感が見えるシーンなんだなあ。

 

一騎はシリーズを追うごとに当然成長しているのだが、1期のころから根幹は変わっていないんですね。象徴的なのは第4話の「助けることは、悪いことなのか!?」だと思います。一騎にとって利他は至極当たり前のことなので、通学中の翔子を助けるし、山登り中の真矢を助ける。その他色々。左目事件で損なわれたのでも培われたのでもない、元々一騎が持つ美点こそが他者への優しさなんだなあ。そりゃ、モテますね……。この優しさのスケール感がシリーズを下るごとに巨大化していくせいで、わたしは随分振り回されているよ。

 

改めて真矢が一騎絡みで総士に当たりが強い理由を言語化すると、「一騎くんは皆城くんの気持ちがわからなくて不安がっているのに、皆城くんはなんで伝えてあげないの?」なんでしょうね。小説版で言及されたように、真矢は左目事件を一騎から聞いて知っているはずだし、『NO WHERE』や第5話や第10話のやりとりからすると、総士の真意も勘付いているかもしれないし。第1話を見るに一騎抜きの総士と真矢は至って普通の同級生なの泣けますね……。

というか第5話があまりのラブコメ回だったので大感謝である。

このように"対話による相互理解"を促す役割を持っていた真矢を、EXOで"対話の果てに理解し合えない人類を手にかける"、"その上で対話によって人類同士の争いを止める"ところに持っていった制作は天才だと思うが、容赦しろ、本当に……。

 

誰かが言っていた「みんながEXOでやっと辿り着いたところに初手で辿り着いたのが翔子」というのを確認したくて見直しているところもある。彼女の行動は「島のためじゃないわ! 一騎くんのためよ!」に集約される。翔子にとって"一騎のため"は自分のため。島のために生きて島のために死ぬ人間が大半を占める中で見せるエゴ。そんな翔子の意思を汲み取るのが、島のためにいちばん身を粉にして働く総士という。立場や状況は違えど、「なんで生きているんだ」「なんで生まれてきたんだ」「いなくなってしまいたい」ということを考えたことがあるふたりだと思うと、もっと総士と翔子のやり取りを見てみたかったという気持ちになります。

第7話で咲良が「戦って満足して死んだんだよ」って言うのに対して、いままでは違うよ! と思っていたのですが、案外その通りというか、ファフナー論法"使命を果たす"的に正しいことを言っているんだな。EXODUSで掲げられた「いまここにいる理由」に、「あなたはそこにいますか?」を問われる1期の時点で辿り着いた翔子のあり方そのものは、作中でもっとも正道にあった。

 

……とりあえずざっくり第6話まで! 次は一騎が家出するか、一騎が家出から帰ってきたら書く予定です。